- 2023.11.14
- 雛人形のあれこれ
雛祭りとは?雛人形の意味と由来・起源や歴史について
「雛祭りとは本当はどんな行事?」「当日はどう迎えれば良い?」とお悩みではないでしょうか?
毎年、何気なく迎えている雛祭りは「桃の節句」とも呼ばれる日本の伝統的な行事です。
本記事では、雛祭りと雛人形の意味や由来、起源や歴史について紹介しています。
雛祭り当日の過ごし方も詳しく紹介していますので、素敵な雛祭りを迎える参考にしてください。
目次
雛祭りとは?いつやる行事?
雛祭りは、毎年3月3日に雛人形を飾る行事です。そして、女の子の健やかな成長と良縁を願います。また、雛祭りは別名「桃の節句」とも呼ばれ、日本の伝統的な行事のひとつです。
春先になると、いたるところに雛人形が飾られたり、雛祭りのイベントも行われたりと雛祭りシーズンは華やかに賑わいます。
雛祭りの由来や起源
雛祭りは「人形(ひとがた)流し」という厄払いの風習と、平安時代のおままごとであった「ひいな遊び」とが結びついたものが由来となります。
人形流しは中国の五節句の一つである「上巳(じょうし)の節句」(3月3日)に、人形(ひとがた)に自分の災厄を托して海や川に流して厄を払い、無病息災を願う行事として古くから行われていました。
人形流しに使用される人形が年月が経つにつれ、徐々に華やかで美しいものとなり、川に流さず家に飾るようになったのが雛人形の起源と言われています。
そして、人形に自分の厄を託す「人形流し」の行事と、平安時代に貴族の間で流行っていた人形を使ったおままごとの「ひいな遊び」が合わさって雛祭りの原型ができました。
雛祭りの歴史
雛祭りの歴史は長く、雛祭りの起源は現在からおよそ1,000年前である平安時代中期までさかのぼります。
「人形流し」という行事と「ひいな遊び」という遊びが交わったことが雛祭りのルーツです。
室町時代(およそ600年前)頃に上巳の節句が3月3日に定められ、長い間雛祭りは厄払いの行事として行われていました。
そして、戦国時代が終わり世の中が平和となった江戸時代頃から女の子のための華やかなお祭りとなり、現代まで受け継がれています。
なぜ雛人形を飾るの?雛人形を飾る意味
雛祭りに雛人形を飾る意味は2つあります。
- 女の子の健やかな成長を願う
- 将来幸せな結婚ができるように願う
古来から人形には身代わりや厄除けなど特別な意味があると考えられ、雛人形にも女の子に起こる災いを雛人形が身代わりし、病気や怪我をせず健やかな成長を願うようになりました。
昔は医療体制や環境も現代ほど整っておらず、幼くして子供を亡くすことも少なくありませんでした。そのため、雛人形に娘の無病息災や長寿の願いを込めて飾ったのです。
また、雛人形は平安時代の結婚式を表わしたもので、良縁や家庭円満の願いも込めて飾られます。
雛人形のそれぞれの意味は?どんな願いが込められているの?
雛人形の人形や小物それぞれには、女の子の成長や長寿を祈り、素敵な結婚をして幸せな人生を送れるようにと願いが込められています。
お雛様(女雛)とお殿様(男雛)には「お雛様のように素敵なお殿様の元へと嫁いで行けるように」「良縁に恵まれるように」とお二人のような理想の夫婦になれるよう願いが込められています。
豪華で賑やかな結婚式を表した雛人形は、「たくさんの人に見守られお祝いされる結婚ができるように」と願い、お雛様の教育や身の回りの世話をする役割の三人官女や結婚式を盛り上げる五人囃子(ごにんばやし)、ボディーガードの随身(ずいしん)を共に飾るのです。
怒り・泣き・笑いの3人の仕丁(してい)には「表情豊かな子に育ちますように」という想いを込めています。
そして、嫁入り道具・お輿入れ道具には「結婚後も不自由なく暮らして行けるように、生活に困らないように」という娘に対する親の想いが込められています。
詳しくはこちらの記事にて解説しています。ぜひ、参考にしてください。
雛祭り当日は何をする?当日の過ごし方
雛祭りの3月3日までに、雛人形を飾って当日を迎えましょう。当日には家族や親戚と集まってみんなでお祝いするのも良いですね。
「ちらし寿司」や「はまぐりのお吸い物」、「ひなあられ」など雛祭りにちなんだ食べ物で食卓を囲み、雛祭りのお祝いをするのもおすすめです。
雛祭りにまつわる食べ物を準備するのは難しいけれど、お祝いはしたい!という方には、ケーキやピザ、外食などでお祝いするのも良いでしょう。
雛人形を飾る
当日の3月3日は、雛人形を飾り雛祭りを迎えましょう。雛祭りのために心を込めて用意した素敵な雛人形と共に、女の子の健やかな成長を祝います。
雛人形は一年に一度しか飾る機会がありません。そのため、せっかく飾った素敵な雛飾りを片付ける前に、堪能しておきましょう。
雛人形と子供を一緒に写真に収めたり、家族写真を撮ったりするのもおすすめです。毎年記念に写真を撮っておくと子供の成長を感じられるだけでなく、素敵な思い出として残しておけます。
たくさんの想いが込められた雛人形と共に、女の子の健やかな成長や良縁を願い、お祝いしましょう。
家族や親戚と集まりお祝いする
一年に一度しか訪れない雛祭りには家族や親戚と集まってお祝いすることで、特別な一日となります。
家族だけでなくあまり集まる機会のない親戚とも集まり、女の子の成長を感じて喜び、そして一緒にお祝いすれば素敵な思い出となるでしょう。
飾った雛人形をお披露目したり、記念にみんなで写真を撮ったりするのもおすすめです。
主役である女の子は多くの人にお祝いされ、素敵な一日を過ごしたくさんの愛を感じられるでしょう。
雛祭りにまつわる食べ物でお祝いする
雛祭り当日には雛祭りにまつわる食べ物を食卓に並べることで、華やかな雛祭りをより一層特別なものへと演出できるでしょう。
雛祭りにまつわる食べ物は、次のようなものがあります。
込められた意味 | |
ちらし寿司 | 食べるものに困らないように |
はまぐりのお吸い物 | 良縁・夫婦円満 |
菱餅 | 健康・長寿 |
ひなあられ | 健康・長寿 |
白酒や甘酒 | 厄除け・長寿 |
ちらし寿司の具にはそれぞれ縁起の良いものを用意します。えびや豆、れんこんなどの鮮やかな具材がたくさんちりばめられたちらし寿司は、華やかな雛祭りをお祝いするのにぴったりです。
最近ではちらし寿司をケーキのようにデコレーションした「ちらし寿司ケーキ」や、酢飯を一口サイズに握り具材を乗せた「手まり寿司」も可愛らしく人気となっています。
良縁を願っていただくはまぐりのお吸い物は、すっきりとした味わいでちらし寿司にも良く合い、お祝いの料理をより引き立てます。
そして、古くから雛菓子として親しまれている、桃色・白・緑の三色からなる菱餅や、淡く可愛らしい色合いところころとした見た目が愛らしいひなあられを食べれば、雛祭りの楽しい雰囲気を味わえるでしょう。
また、白酒はアルコールなので、子供も飲める甘酒で乾杯をするのも良いですね。
それぞれの食べ物についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてくださいね。
ケーキやピザ・外食でお祝いする
雛祭りにまつわる食べ物ではなく、ケーキやピザ、外食でお祝いするのも特別感があって良いですね。
ケーキ屋さんには雛祭りをモチーフにした可愛らしいケーキもあります。予約が必要な場合もあるので、確認しておきましょう。ピザは子どもにも人気で、デリバリーもできるので手軽でおすすめです。
また、外食をしてお祝いをするのも良いでしょう。準備や片付けをしなくてもいいのも嬉しいですね。普段行かないお店に行くのも、特別感があって良いのではないでしょうか。
とはいえ、小さな子が居ると外食をするのも他の人の迷惑にならないか、小さな子も食べられるものがあるかなども心配ですよね。
最近では子供用のメニューが充実していたり、キッズスペースがあったりと子連れに優しいお店や、個室などでゆっくりできるお店も多くあります。気兼ねなくくつろげるようなお店をセレクトすると心配も少なくなります。
ご家庭の都合や予算面などを考慮して無理なく雛祭りを楽しみ、素敵な一日を過ごしてくださいね。
雛人形はいつからいつまで飾るの?
雛人形は節分(2月3日頃)に豆まきをして、厄を祓った後に飾るのが良いとされてます。節分の次の日である「立春」(2月4日頃)以降を目安に雛人形を飾り始めましょう。
二十四節気の「雨水(うすい)」が始まる2月18日~19日頃に出すと良縁に恵まれるとも言われています。
雛人形の片付けは、二十四節気の「雨水」の次に訪れる「啓蟄(けいちつ)の日」である3月6日頃を目安に行います。雛人形を旧暦の3月3日まで飾る風習がある地域は、4月中旬頃までに片付けましょう。
雛人形は湿気に弱いため、お天気が良く湿度の少ない日に片付けるのが望ましいです。
また、「雛人形を片付けるのが遅くなると婚期も遅れる」という言い伝えは、根拠がなく迷信なので気にする必要はありません。雛祭りが終わってもいつまでも雛人形を飾りっぱなしにしないよう、戒めの意味を込めて言われるようになったようです。
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雛人形の種類
雛祭りをお祝いする雛人形には、基本の形である七段飾りをベースにさまざまな種類があります。
特徴 | |
七段飾り(15人飾り) | 雛人形の15体全員を飾れる |
五段飾りや三段飾り | 七段飾りをコンパクトにしたもの |
親王飾り | お雛様(女雛)とお殿様(男雛)を飾る |
ケース飾り | ガラスなどのケースに入っている |
収納飾り | 収納の箱がそのまま飾り棚になる |
七段飾りの雛人形は、内裏雛(お雛様・お殿様)をはじめ、三人官女・五人囃子(ごにんばやし)・随身(ずいじん)・仕丁(してい)・嫁入り道具・お輿入れ道具を飾るフルセットの雛人形です。全ての人形と道具がそろう七段飾りはとても豪華で美しいです。
五段飾りには内裏雛・三人官女・五人囃子・随身・雛道具を飾り、三段飾りには内裏雛・三人官女・雛道具を飾ります。五段飾りや三段飾りの雛人形は、七段飾りを飾るスペースはないけれども親王飾りでは物足りないと感じる方におすすめです。
親王飾りは内裏雛のみを飾ります。飾る場所が限られている場合やたくさんの人形や道具を並べるのが難しそうだと感じる方におすすめ。
ケース飾りの雛人形は、人形がほこりなどで汚れるのを防げ、お手入れも簡単です。収納飾りは雛人形が収納されている箱に人形を飾るので、収納場所に困りません。
今どきは、インテリアにもなじむおしゃれな雛人形や飾る場所や収納に困らないコンパクトな雛人形が人気です。
ちりめんで作られた可愛らしい雛人形や、木製でナチュラルな雛人形など素材も様々で、人形一つひとつの表情も異なります。飾る場所や収納場所を考慮し、好みに合った素敵な雛人形で雛祭りを迎えましょう。
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雛祭りに関するよくある質問
雛祭りはなぜ「桃の節句」というのか、どうして女の子のお祭りなのかという疑問にお答えします。
雛祭りはなぜ「桃の節句」というの?
雛祭りが行われていた旧暦の上巳の頃は、現代では4月の上旬ごろにあたり、「桃の花」が開花してちょうど見頃になることから上巳の節句は「桃の節句」と呼ばれるようになりました。
また、桃の木は「邪気払い」や「子孫繁栄」をもたらす縁起の良いものとされています。
桃の実は「不老長寿」をもたらすと考えられており、縁起の良い「桃の花」が見頃になる雛祭りの日を「桃の節句」と呼ぶようになりました。
どうして雛祭りは女の子のお祭りなの?
上巳の節句には元々、男女関係なく子供の成長を願って「人形流し」が行われていました。
しかし、雛祭りのルーツとなる「人形流し」と結びついた「ひいな遊び」は、女の子の遊びであったことから次第と女の子の成長を願うお祭りとして定着しました。
端午の節句(5月5日)が男の子のお祭りとして認識されていき、桃の節句に行われていた雛祭りは女の子のお祭りとして定着したとも言われています。
伝統を大切にして、思い出に残る雛祭りを過ごしましょう。
桃の節句である雛祭りは「人形(ひとがた)流し」という厄払いの風習と、平安時代のおままごとであった「ひいな遊び」が結びついたものに由来している日本の伝統的な行事です。
そして雛祭りには無病息災や長寿、良縁の想いを込めて雛人形を飾り、女の子の幸せを祈ります。
当日の3月3日はたくさんの願いが込められた雛人形と共に迎え、雛祭りにちなんだ食べ物やケーキなどでお祝いしたり、写真を撮ったりして素敵な雛祭りを過ごしましょう。